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【故障?】DCコンタクタ SW60の交換・代替品は?トラブル解決マニュアル
Albright社製DCコンタクタ SW60の故障でお困りですか?本記事では、テスターを使った簡単な故障診断から、仕様の確認、代替品選定で失敗しないための重要ポイント、安全な交換手順までを網羅的に解説します。SW60の交換や互換品探しは、定格電圧・電流、コイル電圧、取り付け寸法を確認することが重要です。この記事を読めば、SW60のトラブルを自己解決し、適切な製品を確実に見つけることができます。
DCコンタクタ SW60の故障でお困りではありませんか
「ある日突然、ゴルフカートが動かなくなった」「フォークリフトの電源が入らない」「バッテリーシステムの制御が効かない」…もしあなたがこのようなトラブルに直面しているなら、その原因はAlbright(オールブライト)社製のDCコンタクタ SW60の故障かもしれません。
DCコンタクタは、直流(DC)の大電流を安全にON/OFFするための電磁接触器(リレー)です。特にSW60シリーズは、そのコンパクトな設計と高い信頼性から、世界中の様々な直流電源を使用する機器に搭載されています。しかし、重要な部品であるからこそ、故障した際の影響は大きく、業務の停止や思わぬ事故につながる可能性も否定できません。
具体的には、以下のような機器でSW60は心臓部として活躍しています。
もしお使いの機器で「カチッ」という作動音がしない、焦げ臭い匂いがする、本体が異常に熱くなっているといった症状に気づいたら、それはSW60が寿命を迎えたか、何らかの異常をきたしている重要なサインです。故障を放置すると、機器が完全に停止するだけでなく、最悪の場合、焼損による火災のリスクも考えられます。
この記事は、まさにそうしたSW60のトラブルでお困りの方のために作成した「トラブル解決マニュアル」です。故障の症状に応じた原因の切り分けから、正しい代替品の選び方、そして安全な交換作業のポイントまで、順を追って詳しく解説していきます。ご自身の状況を正確に把握し、迅速かつ適切な対応を取るための一助となれば幸いです。まずは、本当にSW60が故障しているのかを判断するため、次の章でご紹介する故障診断チェックリストから確認していきましょう。
なお、Albright社製品の公式情報については、Albright International公式サイトも併せてご確認ください。
交換の前に確認 DCコンタクタ SW60の故障診断チェックリスト
DCコンタクタ SW60が作動しない、あるいは不審な動きをする場合、すぐに「故障だ」と決めつけて交換するのは早計かもしれません。コンタクタ本体ではなく、周辺の回路やバッテリーに問題がある可能性も十分に考えられます。無駄なコストと時間をかけないためにも、まずは落ち着いて原因を切り分けるための故障診断を行いましょう。ここでは、代表的な症状ごとに行うべき確認項目をリストアップしました。
症状1 コイルが作動しない(カチッと音がしない)
キースイッチをONにしても、コンタクタから「カチッ」という作動音が全く聞こえない場合のチェック項目です。これは、コンタクタを作動させるための電磁石(コイル)に電気が流れていないか、コイル自体が故障している可能性を示唆しています。
制御回路の電圧確認
まず、コイルに規定の電圧が印加されているかを確認します。テスターをDC電圧(V)モードに設定し、SW60のコイル端子(細い配線が接続されている端子、通常はA1とA2)間の電圧を測定してください。この時、必ずキースイッチなどをONにして、コンタクタが作動するはずの状態で測定します。電圧が来ていない場合:問題はコンタクタ本体ではなく、制御回路側にあります。キースイッチ、ヒューズ、安全スイッチ(シートスイッチやリミットスイッチなど)、配線の断線や接続不良を確認してください。
規定の電圧が来ている場合:コイルに電気は来ているのに作動しないため、コイル自体の断線が強く疑われます。次のステップとしてコイルの抵抗値を測定します。
コイルの抵抗値測定
電源を完全に切り、安全を確保した上でコイル端子に接続されている配線を外します。テスターを抵抗(Ω)モードに設定し、コイル端子間の抵抗値を測定します。正常な場合:SW60のコイル電圧仕様(12V, 24V, 48Vなど)によって異なりますが、数Ωから数十Ω程度の抵抗値が示されます。
異常な場合:抵抗値が無限大(OLや∞と表示)になる場合は「コイル断線」です。抵抗値が0Ωに極めて近い場合は「コイルのショート」が考えられます。いずれの場合もコンタクタの交換が必要です。
症状2 コイルは作動するが主接点が導通しない
「カチッ」という作動音はするものの、モーターが回らないなど、主回路に電気が流れていない症状です。これは、コイルは正常に作動しているものの、電気の通り道である主接点に問題が発生している可能性が高い状態です。
主接点の導通確認
コイル作動時に主接点間が確実に導通するかを確認します。まず、安全のためバッテリーのマイナス端子を外すなど、主回路の電源を完全に遮断してください。テスターを導通(ブザーが鳴るモード)または抵抗(Ω)モードに設定します。
まず、コンタクタが作動していない状態で、主接点(太いケーブルが接続されている端子)間の導通をチェックします。常開(Normally Open)タイプのSW60では、導通がない(抵抗値が無限大)のが正常です。
次に、制御回路に電圧をかけてコンタクタを作動させた状態(「カチッ」と音がした状態)で、再度、主接点間の導通をチェックします。
導通しない(抵抗値が高い)場合:主接点の表面が摩耗・消耗しているか、酸化や汚れによって接触不良を起こしています。この場合はコンタクタの交換が必要です。長年の使用による接点の消耗は避けられないため、典型的な寿命と言えます。
主接点の溶着確認
稀なケースですが、コンタクタがOFFのはずなのに主接点が導通したまま(抵抗値が0Ωに近い)の場合があります。これは大電流によるアークなどで接点が溶けてくっついてしまった「接点溶着」という危険な状態です。この場合も、ただちにコンタクタを交換する必要があります。
症状3 接点がチャタリングするまたは異音がする
コンタクタがONになる際に「カチカチカチッ」と小刻みにON/OFFを繰り返したり、「ジー」といったうなり音が発生したりする症状です。これはチャタリングと呼ばれ、接点の消耗を早め、接続先の機器にも悪影響を与えるため、早急な対処が必要です。
コイル印加電圧の確認
最も多い原因は、コイルへの供給電圧が不安定、または規定値より低いことです。バッテリーが弱っていたり、制御回路の配線に接触不良があったりすると、コイルを正常に励磁し続けることができず、チャタリングが発生します。コンタクタが作動している状態でコイル端子の電圧を測定し、電圧が不安定に変動したり、規定値(例: 24V仕様なら20V以下など)を大きく下回ったりしていないか確認してください。取り付け状態の確認
コンタクタ本体を固定しているネジや、配線端子の緩みが原因で振動し、異音が発生することがあります。各部の増し締めを行ってみてください。原因の切り分け
電圧が正常で、取り付けにも問題がないにも関わらずチャタリングや異音が発生する場合、コンタクタ内部のコイル劣化やプランジャー(可動鉄心)の摩耗などが考えられます。この場合はコンタクタの交換を検討してください。
症状4 本体が異常に発熱し焼損している
コンタクタの樹脂部分が溶けていたり、変色していたり、焦げた臭いがしたりする状態です。これは非常に危険な兆候であり、放置すると車両火災につながる恐れもあります。
即時交換と原因究明
この症状が見られる場合、診断するまでもなく即時交換が必要です。しかし、単純にコンタクタを交換しただけでは、根本原因が解決されずに同じ故障を繰り返す可能性が非常に高いです。根本原因のチェックポイント
なぜコンタクタが焼損したのか、以下の点を確認してください。過電流:モーターのロックやショートなど、負荷側に異常があって定格以上の電流が流れていませんでしたか?
端子の緩み:主接点の端子やコイル端子のネジが緩んでいませんでしたか?端子の緩みは接触抵抗を増大させ、ジュール熱によって異常発熱・焼損を引き起こす主要な原因です。
不適切な配線:使用されている電流に対してケーブルが細すぎませんか?
再発防止のため、コンタクタだけでなく負荷側の機器や配線、端子の状態も必ず点検することが極めて重要です。
テスターを使った簡単な導通と抵抗値の確認方法
ここまでの診断をまとめた、テスターで確認できる正常・異常の目安です。測定前には必ず主電源を切り、安全を確保してください。コイルの抵抗値の詳細は、Albright社の公式データシートで確認することをお勧めします。
参考資料: Albright International - SW60 Product Page
これらのチェックリストを確認し、原因を特定することで、適切な対処が可能になります。もしコンタクタ本体の故障が確実となった場合は、次の章で解説する交換品・代替品の選定に進んでください。
Albright社製DCコンタクタ SW60の基本仕様とデータシート
DCコンタクタSW60は、英国Albright International社が製造する、世界中の産業車両や電気設備で広く採用されている信頼性の高い電磁接触器です。特にフォークリフト、ゴルフカート、無人搬送車(AGV)、バッテリー駆動の電源装置など、直流(DC)モーターや抵抗負荷の開閉に最適化されています。ここでは、交換や代替品選定に不可欠なSW60の基本仕様とデータシート情報を詳しく解説します。
SW60シリーズの主な仕様(定格電圧と電流)
SW60の性能を理解する上で最も重要なのが、主接点の定格電圧と定格電流です。特に電流値は、連続して流せる「連続通電電流」と、短時間だけ許容される「断続通電電流」が区別されているため、使用する機器の負荷サイクルを考慮して確認する必要があります。
これらの数値は基本的なモデルのものであり、詳細な性能曲線やディレーティング(周囲温度による性能低下)については、製造元のデータシートで確認することが最も確実です。
参考情報: Albright International - SW60 Product Page
コイル電圧のバリエーションと選定の注意点
DCコンタクタを作動させるには、内蔵されている電磁コイルに規定の電圧を印加する必要があります。SW60シリーズは、使用される機器の制御回路に合わせて、多彩なコイル電圧のバリエーションが用意されています。
代表的なコイル電圧は次の通りです。
DC 12V
DC 24V
DC 36V
DC 48V
DC 72V
DC 80V
交換品や代替品を選ぶ際に、最も注意すべき点がこのコイル電圧です。例えば、DC 24V仕様の回路にDC 12V用のコンタクタを取り付けるとコイルが過熱して焼損し、逆にDC 48V用のコンタクタを取り付けても電圧不足で正常に作動しません。必ず、現在使用しているコンタクタのラベル表記や、機器の回路図を確認し、完全に一致するコイル電圧の製品を選定してください。
接点構成とオプションについて
SW60の基本モデルは、前述の通り「単極単投ノーマリーオープン(SPST-NO)」ですが、用途に応じて様々なオプションが用意されています。
補助接点 (Auxiliary Contacts)
主接点の開閉状態をPLC(プログラマブルロジックコントローラ)やランプ表示などにフィードバックするための小型の接点です。型番に「A」が付くモデル(例: SW60A)は補助接点付きを示します。交換時には補助接点の有無も必ず確認してください。マグネットブローアウト (Magnetic Blowouts)
高電圧・大電流を遮断する際に発生するアーク(火花)を、内蔵された永久磁石の力で引き伸ばして消弧する機能です。これにより接点の消耗を抑え、遮断性能を高めます。特に高負荷のモーター回路で使用される場合に推奨されます。取り付けブラケット (Mounting Brackets)
取り付け面の形状に合わせて、L字型など複数のブラケット形状が選択可能です。代替品を探す際は、ブラケットの形状と取り付け穴の位置が同じかどうかも重要な確認ポイントです。
外形寸法と取り付け方法
コンタクタを物理的に交換・設置するためには、外形寸法が極めて重要です。特に限られたスペースに設置されている場合、わずかなサイズの違いが取り付けの可否を左右します。
代替品を検討する際は、既存のSW60と取り付けピッチ(取り付け穴の間隔)が完全に一致するかを最優先で確認してください。次に、全体の高さ、幅、奥行きが周辺の部品と干渉しないかを確認します。
※上記はあくまで参考値です。正確な寸法は必ず公式のデータシートや図面で確認してください。特にブラケットの形状によって寸法は変化します。取り付けは通常、M4サイズのネジで行います。
DCコンタクタ SW60の交換品と代替品の選び方
Albright社製DCコンタクタ SW60が故障した場合、最も確実なのは同一型番の製品に交換することです。しかし、生産終了や納期の問題で同一品がすぐに入手できないケースも少なくありません。そのような状況では、仕様を満たす代替品を選定する必要があります。ここでは、交換品・代替品を選ぶ際の具体的な手順と、失敗しないための重要なチェックポイントを詳しく解説します。適切な製品を選び、装置のダウンタイムを最小限に抑えましょう。
まずは同一型番のSW60を探す
トラブルシューティングの基本は、原因となった部品と全く同じ型番の製品を探して交換することです。これにより、電気的な仕様や物理的な寸法が完全に一致するため、追加の設計変更や加工が不要となり、最も安全かつ迅速に復旧できます。
まずは、故障したコンタクタ本体に貼られているラベルや刻印を確認し、「SW60」から始まる正確な型番を特定してください。特にコイル電圧や接点構成を示すサフィックス(例: SW60-42P 24V)が重要です。型番が特定できたら、以下のルートで入手可能か確認しましょう。
正規販売代理店
制御機器を扱う電材商社
MonotaROやRSコンポーネンツなどのオンラインストア
フォークリフトやゴルフカートのメーカー・販売店
同一型番が見つかれば、それが最良の選択肢です。見つからない、または納期が非常に長い場合に限り、次のステップである代替品の選定に進みます。
代替品選定で失敗しないためのチェックポイント
同一型番のSW60が入手困難な場合、互換性のある代替品を探すことになります。選定を誤ると、新たな故障の原因となったり、最悪の場合は火災などの重大な事故につながる危険性があります。以下の3つのポイントは必ず確認してください。
ポイント1 定格電圧と定格電流
主接点の定格は、コンタクタが安全に開閉できる電力の最大値を示します。代替品は、元のSW60の主接点定格電圧(V)および定格電流(A)と「同等以上」のスペックを持つ製品でなければなりません。
例えば、DC48Vのバッテリーで最大80Aの電流が流れる回路に使用されていた場合、代替品の定格もDC48V以上、80A以上であることが必須です。定格が不足している製品を使用すると、接点の溶着や異常発熱、焼損を引き起こし、非常に危険です。必ず使用する回路の電圧と最大電流を確認し、余裕を持った定格の製品を選びましょう。
ポイント2 コイル電圧
主接点の定格とは異なり、コイル電圧は元の製品と「完全に一致」させる必要があります。コイルはコンタクタの接点を動かすための電磁石であり、制御回路から供給される電圧で動作します。
SW60シリーズには、DC12V、24V、36V、48Vなど、様々なコイル電圧のバリエーションが存在します。例えば、24Vの制御回路に12V用のコンタクタを接続するとコイルが過熱して焼損し、逆に48V用のコンタクタを接続すると電圧不足で動作しない、または不安定な動作(チャタリング)の原因となります。故障したコンタクタの型番やラベルで、必ずコイル電圧を確認してください。
ポイント3 取り付け寸法と端子の形状
電気的な仕様が一致していても、物理的に取り付けできなければ意味がありません。データシート(仕様書)を入手し、以下の寸法を比較・確認してください。
取り付けピッチ: 本体を固定するネジ穴の間隔(縦・横)です。これが異なると、取り付けプレートの穴あけ加工などが必要になります。
外形寸法: 本体全体の幅、高さ、奥行きです。周辺の部品と干渉しないか確認します。
- 主接点端子の仕様: ネジのサイズ(M6, M8など)や形状を確認します。サイズが異なると、接続するケーブルの圧着端子を交換する必要があります。 - コイル端子の仕様: ファストン端子(平型端子)か、ネジ留め式かなどを確認します。形状が異なれば、配線の先端加工が必要です。
これらの物理的な互換性を軽視すると、現場での取り付け作業に想定外の時間と手間がかかるため、事前の確認が不可欠です。
SW60の代表的な代替品候補と互換性の比較
SW60の代替品として検討される代表的なDCコンタクタをいくつか紹介します。ただし、これらはあくまで候補であり、最終的な採用はご自身の責任において、必ず仕様書で詳細なスペックを確認した上で行ってください。
下記の表は、一般的な互換性の傾向をまとめたものです。実際の製品の仕様はモデルやロットによって異なる場合があります。
代替品のデータシートは、各メーカーの公式サイトや、RSコンポーネンツ、MonotaROなどの販売代理店のウェブサイトで入手できることがほとんどです。選定に迷った場合は、これらの販売代理店の技術サポートに相談するのも有効な手段です。
安全第一 DCコンタクタ SW60の交換作業と配線の注意点
DCコンタクタ SW60の交換作業は、高電圧・大電流を扱うため、一歩間違えれば重大な事故につながる危険性があります。感電や火災、機器の破損を防ぐため、必ず正しい手順と安全対策を守って作業を行ってください。この章では、安全な交換作業のための準備、正しい配線方法、交換後の動作確認までを詳しく解説します。
交換作業を始める前の準備と安全対策
作業の品質と安全は準備段階で決まります。焦らず、以下の項目を一つひとつ確実に実行してください。
電源の完全な遮断
交換作業における最も重要な工程は、電源の完全な遮断です。 DCコンタクタはバッテリーや直流電源装置に接続されていることが多く、電源が入ったまま作業を行うと、感電やショートによる火花で火災を引き起こす可能性があり、大変危険です。
バッテリーの切り離し: 必ずシステムの主電源をOFFにし、バッテリーのマイナス(-)端子からケーブルを取り外してください。これにより、回路全体が確実に遮断されます。
残留電荷の放電: 回路内にコンデンサ(キャパシタ)が含まれる場合、電源をOFFにしても電荷が残っていることがあります。テスターで電圧が0Vになっていることを確認し、必要であれば適切な方法で放電してください。
作業札の表示: 「作業中・電源投入禁止」などの表示札を電源スイッチやバッテリー端子付近に掲示し、第三者による誤操作を防ぎます。
安全保護具の着用と作業環境の整備
万が一の事故から身を守るため、適切な保護具を着用し、安全な作業環境を確保しましょう。
また、作業スペースは整理整頓し、可燃物や余計な工具を置かないようにしてください。薄暗い場所での作業はミスを誘発するため、十分な明るさを確保することも重要です。安全な作業手順については、厚生労働省 職場のあんぜんサイト「労働安全衛生規則 第五章 電気による危険の防止」なども参考に、常に安全を最優先してください。
正しい配線方法と端子の締め付け
DCコンタクタの性能を最大限に引き出し、トラブルを未然に防ぐためには、確実な配線作業が不可欠です。特に端子の接続は発熱や焼損に直結する重要なポイントです。
配線と極性の再確認
取り外す前に、元のSW60の配線をスマートフォンなどで撮影しておくと、新しいコンタクタを取り付ける際のミスを防げます。特にコイル端子と主接点(電源側・負荷側)の配線を間違えないように注意してください。
コイル端子: SW60のコイルには極性(+ / -)があるモデルとないモデルが存在します。ダイオードやサージアブソーバが内蔵されているモデルは極性が指定されているため、データシートや本体の表示で必ず確認し、正しく接続してください。逆接続はコイルの破損につながります。
主接点: 電源側(バッテリー側)と負荷側(モーター側など)の接続を間違えないようにします。
端子の締め付けトルク管理
端子の締め付けは、必ずトルクレンチを使用して規定のトルク値で管理してください。 締め付けが弱い「トルク不足」は、接触抵抗の増大による異常発熱や焼損の最大の原因となります。逆に締め付けが強すぎる「オーバートルク」は、端子やコンタクタ本体の破損を招きます。
※上記は一般的な値です。必ず使用するコンタクタのデータシートに記載された正規のトルク値を確認してください。ケーブルに取り付けた圧着端子が平らで、ワッシャーが正しく取り付けられていることも確認しましょう。
交換後の動作確認の手順
すべての配線が完了したら、いきなり主電源を投入するのではなく、段階的に動作確認を行います。慎重な確認が、万が一のトラブルを最小限に抑えます。
電源投入前の最終チェック
目視確認: 配線に間違いがないか、元の写真と見比べながら再度確認します。特にコイルの極性、電源側と負荷側の接続を入念にチェックします。
ショートチェック: 電源がOFFの状態で、テスターの抵抗測定モードを使い、バッテリーのプラス・マイナス端子間がショートしていないか確認します。
周辺確認: 工具や金属片などをコンタクタ周辺や回路内に置き忘れていないか確認します。
コイルの単体動作確認
可能であれば、主回路の電源を接続する前に、コイルにのみ規定の電圧(例: DC12V, 24V)を印加します。「カチッ」という明瞭な作動音がすれば、コイルと可動部は正常に動作しています。異音がしたり、動作音がしない場合は、コイル電圧が間違っているか、配線ミスの可能性があります。すぐに電源を切り、原因を調査してください。無負荷での動作確認
バッテリーのマイナス端子を接続し、主電源を投入します。この時点では、モーターなどの負荷は作動させません。コンタクタをON/OFFさせ、異音や異臭、煙などが発生しないかを確認します。実負荷での最終確認
最後に、実際にモーターなどの負荷を接続してシステムを稼働させます。数分間作動させた後、一度電源を切り、コンタクタ本体、特に主接点端子部分に異常な発熱がないかを手で触れて(やけどに注意)確認します。ほんのり温かい程度は正常ですが、触れられないほど熱い場合は接触不良の可能性があります。直ちに使用を中止し、端子の締め付けなどを再点検してください。
これらの手順を確実に実行することで、DCコンタクタ SW60の交換を安全かつ確実に行うことができます。
まとめ
本記事では、Albright社製DCコンタクタSW60の故障診断から代替品の選定、安全な交換手順までを解説しました。故障の際は、まず本記事のチェックリストを参考に原因を切り分け、テスターで確認することが重要です。交換品は同一型番が理想ですが、代替品を選ぶ際は「定格電圧・電流」「コイル電圧」「取り付け寸法」の互換性を必ず確認してください。正しい知識と手順で、安全かつ迅速なトラブル解決を目指しましょう。
製品に関するご相談は、オルブライトジャパンまでお気軽にお問い合わせください。
企業情報
DCシリーズ
ED・SD・SU・Busbarシリーズ
企業情報
オルブライト・ジャパン
株式会社
- 〒353-0004
埼玉県志木市本町6-26-6-101 - TEL.048-485-9592
- FAX.048-485-9598
ED・SD・SU・Busbarシリーズ
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