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【2025年最新】非常停止スイッチメーカー選定前に知るべき技術仕様と選定基準|ISO対応も解説
非常停止スイッチは、命を守るための“最後の砦”。
「どのメーカーがいいのか分からない」「技術的に比較できる自信がない」とお悩みなら、まずはメーカー選定の基準を把握するのがおすすめです。
本記事では、2025年時点の最新仕様、ISO13850などの国際規格、そして選定で絶対に外せない技術ポイントを、わかりやすく解説しています。
非常停止スイッチとは?役割と基本機能の解説
工場やプラントで、赤い「非常停止スイッチ」を見かけたことがある方も多いでしょう。
しかし、それがどれほど重要な安全装置なのか、正確に理解できている人は多くありません。
この章では、非常停止スイッチの基本機能や果たすべき役割を、規格の観点も交えて解説します。
非常停止スイッチの定義と重要性
非常停止スイッチは、ISO 13850やJIS B 9703などで定義された「人が手動で操作し、危険な動作を停止させるための安全装置」です。
電源スイッチとは異なり、緊急時に誰でも直感的に操作でき、機械の動力を即座に遮断する仕組みが求められます。
作業員が巻き込まれそうなとき、異常な動作を始めたとき、「一瞬の判断」で命を守る機能です。
日本でも労働安全衛生法により、一定の機械には設置が義務化されており、メーカー選定の前提としてこの機能の理解は欠かせません。
非常停止スイッチの主な役割
非常停止スイッチは、緊急時に即座に機械を停止させることで、事故や被害の拡大を防ぐ役割を担います。
危険の即時回避:作業者の巻き込まれや機械の暴走など、危険な状況を即時に遮断。
機械の損傷防止:異常動作やトラブル時に、機械の破損拡大を防止。
作業者と周辺環境の保護:操作者だけでなく、周囲の人や設備全体の安全確保に貢献。
これらの役割を果たすには、非常停止スイッチ自体の高い信頼性と確実な動作が前提です。
非常停止スイッチに求められる基本機能
非常停止スイッチは、緊急時に確実に作動しなければ意味がありません。
そのため、選定時には以下の基本機能を備えているかを確認することが重要です。
操作性と視認性:誰でも直感的に操作できるよう、押しやすいマッシュルーム形のボタンや、赤×黄の配色などが規格で定められています。
自己保持機能(ラッチング):一度押すとリセットするまで動作を保持し、勝手に再起動しない安全設計が求められます。
直接開路動作(ポジティブオープニング):接点が溶着しても強制的に開く構造で、万が一の故障でも確実に電源を遮断します。
誤操作防止:不意な接触で誤って作動しないよう、保護カバーなどの工夫も重要です。
これらはすべて国際規格でも求められる要件であり、信頼できる製品を見極めるうえでの重要な判断基準になります。
動作方式の種類(プッシュ式/回転解除式/キーロック式 など)
非常停止スイッチにはさまざまな動作方式があり、用途や現場環境に応じた選定が求められます。
最も一般的なのは、押すとロックされ、引くか回すことでリセットする「プッシュロック式」。
これに加えて、誤操作を防ぐ「回転解除式」や、特定の作業者しかリセットできない「キーロック式」もあります。
コンベアなど広範囲の監視が必要な場合はワイヤー式、両手が使えない作業ではフットスイッチ式が有効です。
また、粉塵や水、油などの環境条件を考慮し、防塵・防水性能(IPコード)にも注目する必要があります。
選定の際は、操作性と安全性の両立を意識しましょう。
接点構成と安全性の基本
非常停止スイッチの内部には「接点」と呼ばれる回路のON/OFFを切り替える部品があります。通常はb接点(NC)=常時閉路が使用され、スイッチを押すことで回路が遮断される仕組みです。これは、断線や故障時にも安全側に働く“フェールセーフ設計”を実現するためです。
より高度な制御が必要な場合には、a接点(NO)や1a1b構成なども選択肢に入りますが、多くの用途では「b接点があること」=安全設計の最低条件として覚えておけば問題ありません。
国際規格と安全認証(ISO13850/IEC60947/CE/UL など)
非常停止スイッチは人命に関わる重要な安全部品のため、国際規格や安全認証への適合が欠かせません。これらに準拠した製品は、設計・性能・信頼性が客観的に保証されています。
代表的な規格と認証には、次のようなものがあります。
ISO 13850(JIS B 9703):非常停止スイッチの設計原則を定めた基本規格
IEC 60947-5-5:構造・性能・試験方法を明記し、ダイレクトオープニング機構なども規定
CEマーキング/UL認証/CCCなど:地域別の販売要件を満たす安全マーク
選定時は、これらの規格・認証への対応状況を確認することで、確かな製品を選ぶ判断材料になります。
国内外の非常停止スイッチ市場動向と技術トレンド
非常停止スイッチは、安全対策の要としてあらゆる業界で導入が進み、国内外でその需要が高まっています。
法規制の強化やスマートファクトリー化の加速により、製品の小型化・高機能化も急速に進行中です。
この章では、市場の変化と技術の最新トレンドを簡潔に整理しています。メーカー選定の際に“今求められる製品像”を把握する参考にしてください。
国内市場の動向
日本の非常停止スイッチ市場は、製造現場の自動化と労働安全対策のニーズ拡大に伴い、堅調に成長しています。特に、産業用ロボットの普及やスマートファクトリー化の推進が、安全関連機器の需要を後押ししています。
需要が高いのは、工作機械や食品加工機械をはじめとする製造業全般。また、自動倉庫や搬送システムでも、安全確保のために非常停止スイッチの導入が進んでいます。
国内メーカーは品質と信頼性に定評があり、中小企業においても助成金制度を活用しながら導入が進む傾向にあります。ただし、国際規格への対応やコスト競争力の強化が、今後の課題といえるでしょう。
海外市場の動向
海外でも非常停止スイッチの需要は年々高まっており、特に欧州・北米・アジアでの成長が顕著です。
欧州ではCEマーキングなど厳格な安全規格により、高機能・高信頼な製品が求められています。インダストリー4.0の影響で、スマートセーフティ機器の導入も加速中です。
北米ではUL認証や訴訟リスクへの意識から、安全機器への投資意欲が強く、機能性と法令適合の両立が重視されます。
一方、アジアでは中国・東南アジアを中心に工業化が進み、コスト重視ながらも安全意識の高まりにより、高機能製品への需要も拡大しています。
こうした市場背景に応じ、グローバルメーカーは製品ラインアップやサポート体制の柔軟性が求められています。
技術トレンド
非常停止スイッチの技術は、安全性と効率性の両立を目指し進化を続けています。注目すべきトレンドは以下の通りです。
小型化・省スペース:装置のコンパクト化に合わせ、奥行きや取付サイズが縮小。
インテリジェント化:状態通知・診断・LED表示などで保守性を向上。
ワイヤレス対応:移動設備や広範囲への設置に有効。セキュリティとの両立が課題。
セーフティネットワーク連携:IO-Link SafetyやPROFIsafeなど、全体最適化が容易に。
耐環境性能の向上:防塵・防水・耐薬品・耐振動といった過酷環境対応製品が拡大。
ユーザビリティ向上:視認性・操作性・誤操作防止のデザイン強化。
環境配慮:RoHS対応やリサイクル設計によるサステナビリティ対応も進行中。
こうした技術動向を把握することで、自社に適した製品選定がしやすくなります。
非常停止スイッチを選ぶ際のチェックポイント
非常停止スイッチは、“いざ”という瞬間に命を守る最後の砦です。正しく選定するには、次の6つの視点が不可欠です。
1. 安全規格への適合確認
ISO 13850やIEC 60947-5-5など、国際規格に準拠した製品は、設計・構造・性能面での信頼性が担保されています。特に輸出を見据えるならCEやULなどの地域認証も必須です。
2. 設置環境への対応
粉塵・水・油などへの耐性を示すIPコードや、使用温度・湿度・振動に対する耐環境性能の確認が重要です。過酷な現場ほど、スペックの確認が事故を防ぎます。
3. 操作性と視認性
赤いマッシュルーム型ボタン、黄色の背景、押しやすい形状など、誰でもすぐに操作できる直感性が求められます。誤操作防止のガード付きや表示灯付きも有効です。
4. 電気的仕様の適合性
使用する回路の電圧・電流に合った定格、b接点(NC)中心の接点構成、そして「直接開路動作機能」の有無は必須確認事項。制御機器との整合性も見逃せません。
5. 取り付け・保守のしやすさ
穴径やパネル厚への適合はもちろん、配線のしやすさ、点検や接点交換の容易さも、運用コストに直結します。狭い盤内にはスリム設計やモジュール型が最適です。
6. メーカーの信頼性とサポート体制
規格適合だけでなく、国内拠点の有無・納期対応・技術相談への柔軟性もチェック。製品以上に「支えてくれる力」が、選定後の安心を左右します。
“製品力”だけじゃ不十分? 導入後も安心できるメーカーの見極め方
非常停止スイッチは、安全を守る最後の砦。だからこそ、スペックや価格だけで判断するのは危険です。万が一のトラブルや仕様変更に対し、的確かつ迅速に対応できる「支援体制のあるメーカー」を選ぶことが、長期的な安心につながります。信頼すべきは“製品力+支えてくれる力”です。
導入後も安心できる“信頼できるメーカー”を選ぶために
非常停止スイッチは“導入して終わり”ではなく、長期的に安心して使い続けられるメーカー選びが重要です。確認すべきは主に以下の5点です。
技術サポート:選定時の相談対応や、設置・仕様変更に対する助言があるか。
品質管理体制:ISO9001取得やトレーサビリティ確保など、製品の信頼性を裏付ける体制が整っているか。
納期と供給力:標準品の在庫状況、カスタマイズ対応の可否、緊急時の供給体制など。
教育・情報発信:技術資料の提供、セミナー開催、規格改定の案内などでユーザーを支えてくれるか。
カスタマイズ対応力:特注の要望に柔軟に応えてくれるか、対応コストや納期が明確か。
“製品力+支援力”がそろってこそ、真に信頼できるパートナーといえるでしょう。
長期的な視点でのサプライヤー評価
非常停止スイッチの選定は、単なる製品スペックや価格の比較にとどまりません。安全性を支えるパートナーとして、サプライヤーの「これから」まで見据えた判断が求められます。
以下のような視点も、選定基準に加えておくと安心です:
将来にわたって安定したサポートを提供できるか
技術革新に積極的に取り組んでいるか
顧客のニーズの変化に柔軟に対応できる体制があるか
私たちオルブライトジャパンは、英国ALBRIGHT社の確かな技術を基盤に、日本国内での技術相談・納期対応・アフターサポートまで一貫して提供しています。
どんな現場にも寄り添い、「もしも」のときも頼れる存在として、多くの企業様に選ばれてきました。
あなたの現場の安全を守るために、私たちも全力で支えます。
まとめ:非常停止スイッチ選定は「信頼できる技術」と「適切な判断」から
非常停止スイッチの選定は、作業現場の安全性と稼働率を左右する、非常に重要な判断です。
技術仕様や操作性はもちろん、設置環境への適合、規格への準拠、そして導入後のサポート体制まで――総合的に見極めることが、安全と信頼につながります。
「なんとなく選ぶ」ではなく、“自社にとって本当に安心できる一台”を選ぶ視点を持つことで、トラブルを未然に防ぎ、長く信頼できるパートナーシップを築くことができます。
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